ひとさじからはじめる食べものがたり ~伊吹いりこと伊吹島のおはなし~ -たがみまき-
みなさまこんにちは。
冷凍離乳食mom’sのたがみです。
今回は、キッチンのある香川県から地元食材のお話をお届けします。
香川が誇る「伊吹いりこ」と、瀬戸内海の小さな島、伊吹島。
「どうして伊吹いりこはおいしいんだろう?」
「いつか、いりこ作りを実際に見てみたい!」
ずっとそう思っていた私ですが、今年7月、念願叶って伊吹島を訪れることができました。
実際に島を歩き、見て、聞いて、そして感じた、
伊吹いりこのおいしさの秘密をご紹介します。
最高級といわれるいりこ

「伊吹いりこ」をご存知でしょうか。
私は普段から、地元・さぬき(香川)のおいしい食材を
全国のみなさまにご紹介していますが、
その中でも一番におすすめしたい食材が「伊吹いりこ」です。
香川県の伊吹島で水揚げ・加工される伊吹いりこは、
讃岐うどんの出汁にも欠かせない存在。
豊かなうま味と上品な味わいを持つ、香川が誇る食材です。
では、なぜ伊吹いりこはそんなにおいしいのでしょう。
その秘密を探しに、いりこのふるさと・伊吹島へ向かいました!
● 瀬戸内海に浮かぶいりこの島「伊吹島」
伊吹島は、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ周囲約5.5kmの小さな島。
いりこ漁業が始まったのは、約150年前の江戸時代末期といわれています。
以来、島の人々の暮らしはいりこと深く結びつき、
伊吹島は「いりこの島」として歩んできました。

● 伊吹のいりこはなぜおいしいの?
最大の秘密は、漁場と加工場がとても近いこと。
いりこは何より鮮度が命です。
伊吹島では、2隻の船で網を曳く
「二そう船びき網(パッチ網)」という漁法でカタクチイワシを漁獲します。
できるだけ魚にストレスをかけず、傷つけないよう丁寧に獲る。
ここからすでに、おいしいいりこ作りは始まっています。

獲れたばかりのカタクチイワシは、海水氷で満たした高速運搬船へ。
すぐに港へ運ばれ、海岸沿いの加工場へフィッシュポンプで送られます。
そして海水で茹で、乾燥させ、いりこが完成。
「獲る→運ぶ→加工する」まで、とにかく早い!
この徹底して鮮度を守る仕組みと、島の人々が受け継いできた技術こそ、
伊吹いりこのおいしさを支えているのです。


伊吹島を歩いてみると…
フェリーを降り、まず向かったのは海岸沿いのいりこ加工場。
フィッシュポンプから次々と送られてくる、銀色にキラキラ輝くイワシ。
そして辺りいっぱいに漂う、釜茹でされたいりこのなんともいえないいい香り。
目の前で繰り広げられる、驚くほどスピーディーで無駄のない加工工程に、
私はすっかり見入ってしまいました。
これまで何度も料理に使ってきた伊吹いりこ。
今回そのいりこが作られる場所に立ち、作る人の仕事を自分の目で見たことで、
私にとってさらに大切な食材になりました。
加工場を見学した後は島めぐりへ。
伊吹島は、噂通りの「いりこと坂と猫の島」。
坂道を歩いていると、
「何しに来たん?」
「どこから来たん?」
と、島の方々が気さくに声をかけてくださいました。
私には特別に見える風景も、島のみなさんにとってはいつもの日常。
そんな暮らしの中に、長い年月をかけて
受け継がれてきた食文化が息づいているのだと感じました。
また、伊吹島は瀬戸内国際芸術祭の会場でもあり、
島の歴史や暮らしと結びついたアート作品にも出会えます。
伊吹島の歴史の中でも興味深かったのが「出部屋(でべや)」。
かつて島には、お産を終えた女性たちが新生児と離れ、
一定期間を過ごす共同産室がありました。
いわば現代の産後ケア施設のようなもの。
子供を島全体で大切に育てるという伊吹島の子育ての原点が
その出部屋であったといわれています。
出部屋の跡地には現在、「伊吹の樹」というアート作品が生まれ、
かつての島の暮らしを今に伝えています。

【おうちで楽しむいりこ簡単レシピ】
「いりこって、出汁を取るのがちょっと面倒そう……」
そんなイメージはありませんか?
実は、とっても簡単。
私が普段楽しんでいる、おすすめの使い方をご紹介します♪
● いりこ出汁
私の一番のおすすめは、「水出し」です。
1Lの水を入れた保存容器に、いりこ約50gを入れて冷蔵庫へ。
一晩置いたら、いりこを取り出すだけ。
雑味の少ない、すっきりと上品な味わいのお出汁になります。
お味噌汁や煮物、うどんのお出汁にも。
前日の夜にポン!と入れておけば、翌朝すぐに使えるのでとっても簡単です。
● いりこしょう油
こちらはさらに簡単。
いりこが入るサイズの醤油差しや小瓶にいりこをポン!
あとはお醤油を注ぐだけ。
冷ややっこやお浸し、煮物など、
いつものお醤油にいりこのうま味が加わります。

これまでも「さぬきのおいしい食材」として
ご紹介してきた伊吹いりこ。
今回、実際に伊吹島を訪れ、海を見て、
作る人の仕事に触れ、島の暮らしを知ったことで、
“いりこの向こう側に、瀬戸内の自然や人々の知恵、
受け継がれてきた食文化があること“
を改めて感じました。
食べものの背景を知ると、いつもの「おいしい」が、
少し特別な「おいしい」に変わる気がします。
みなさまも伊吹いりこを見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
そしてそのとき、瀬戸内海に浮かぶ小さな「いりこの島」を、
ちょっぴり思い出していただけたら嬉しいです。
~You are what you eat~
毎日のごはん、楽しくたいせつに♪
冷凍離乳食mom’s たがみまき
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